また、同方式は、シリコンMOSFETを介さない駆動のため、外部電圧の急激な変動がもたらすシリコンMOSFETの電圧変動によってGaN HEMTが誤ってオン動作をするリスクを大幅に低減でき、機器の安定動作に貢獻します。
デバイスの信頼性についても、今回開発したGaN HEMTは、電源用途で使用する電圧および溫度で十分な壽命があることを確認できました。注3
なお、今回當社が開発したディスクリートタイプのGaNパワーデバイスは、ドライバー回路とは一體化されていないため、用途に応じて自由にゲートドライバーICを選択できます。
當社は本技術の詳細を、9月13日から18日までオンラインで開催された半導體國際學會「IEEE International Symposium on Power Semiconductor Devices and ICs (ISPSD) 2020」において発表しました。今後も、GaNをはじめとした次世代パワーデバイスの開発を加速していきます。
注1 GaN HEMT:窒化ガリウム高電子移動度トランジスタのこと?,F在GaNパワーデバイスとして実用化されているデバイス構造。
注2 閾値:トランジスタをオンさせるゲート?ソース間電圧のこと。閾値電圧が高い場合、ゲート電圧の変動に対してもGaN HEMTが誤ってオン動作するリスクが減る。
注3 高溫?高電圧加速試験を行い、通常電源用途等で使用される500Vのバイアス狀態で1000年以上の予測壽命がある結果を確認した。