ローム株式會社(本社:京都市)は、計測機器や制御機器で使われる異常検知システム、微小信號を扱う各種センサなど、高速のセンシングを必要とする産業機器?民生機器に向けて、高速タイプのグランドセンスCMOSオペアンプ「BD77501G」を開発しました。
「BD77501G」は、異常検知システムなどで求められる高速増幅(高スルーレート10V/µs)に対応しながら、配線などの負荷容量で一切発振しない業界初のオペアンプです。従來の高速オペアンプは負荷容量で発振し不安定になることがありますが、本製品は発振せずに安定した動作が可能です。また、全ノイズ周波數帯域での出力電圧が、一般品は±200mV以上変動するのに対して、本製品は圧倒的なEMI耐量*1(以下、ノイズ耐量)で±20mV以下(一般品比10分の1)を実現しています。これらにより、センサなどの後段に設置した際、負荷容量と外部ノイズの影響を受けずに高速の信號増幅を可能にすることで、アプリケーションの設計工數削減と高信頼化に大きく貢獻します。
本製品は、2020年3月よりサンプル出荷(サンプル価格 500円/個:稅抜)を開始しており、2020年10月から當面月産100萬個の體制で量産を開始する予定です。
今後ロームは、本製品をラインアップ化し、車載向けにも展開することで、幅広いアプリケーションの設計工數削減と高信頼化に貢獻していきます。
近年、IoTの広がりとともに、自動車や産業機器などあらゆるアプリケーションにおいて、高度な制御を行うために多くの電子部品が搭載されています。その中で、安全のための各種異常検知システムでは、センサなどの微小な信號を高速に増幅できるオペアンプが必要とされていますが、高速タイプのオペアンプは、配線などの負荷容量が原因となり、発振しやすく扱いにくいため基板設計時の負荷が大きいという課題があります。また、アプリケーションの電子化?高密度化が進んだことで、ノイズ環境はますます悪化しており、微小な信號を扱うデバイスのノイズ設計も大きな課題です。
ロームが開発するEMARMOUR™シリーズのオペアンプ?コンパレータ*2は、圧倒的なノイズ耐量でノイズ設計の負荷を軽減できるため、車載?産業機器市場で高い評価をいただいています。今回、そのオペアンプシリーズに異常検知に最適な高速タイプを加える形で、全ての負荷容量領域で発振しない新製品を開発しました。
「BD77501G」は、ローム獨自の電源IC技術「Nano Cap™」を搭載したことで超安定制御を実現しており、異常検知システムなどで求められる高速増幅(高スルーレート10V/µs)に対応しながら、配線などの負荷容量で一切発振しない業界初のオペアンプとなっています。従來の高速オペアンプが配線などの負荷容量で不安定になり、配線や周辺部品の制約により非常に扱いにくいのに対して、本製品は一切発振せずに安定した動作ができるため、アプリケーションの設計工數削減に貢獻します。
「Nano Cap」は、ロームの垂直統合型生産體制において、「回路設計」「レイアウト」「プロセス」、3つの先端アナログ技術を結集することで実現する超安定制御技術を指します。安定制御により、アナログ回路のコンデンサに関する安定動作課題を払拭することで、自動車や産業機器、民生機器などを問わず、幅広いアプリケーションの設計工數削減に貢獻します。