ローム株式會社(本社:京都市)は、IoTやスマートメーターを始めとするスマートコミュニティ構築に最適な國際無線通信規格「Wi-SUN Enhanced HAN」対応評価キットとして、アンテナ?コネクタ搭載モジュール「BP35C1-J11-T01」、USBドングル「BP35C2-J11-T01」のインターネット販売を開始しました。
Wi-SUN Enhanced HANは、スマートメーターで構築される無線ネットワークなどで、2,400萬臺以上出荷される國際無線通信規格「Wi-SUN」の家庭環境向け最新規格として、通信距離を拡張するリレー通信機能や省電力動作を促すスリープ通信機能を備えており、広範囲を低消費電力でカバーできることから、採用が進んでいます。
「BP35C1-J11-T01」は、ロームのWi-SUN Enhanced HAN対応無線通信モジュール「BP35C0-J11」*1を基板上に実裝し、アンテナとボードtoボードコネクタを搭載した評価用モジュールです。アンテナ設計や基板へのモジュール実裝が不要なため、スマートメーター情報を活用する新しいサービスや、家電、センサなどの各種機器を想定した評価に最適です。また、「BP35C2-J11-T01」は、USBドングルとして、市販のゲートウェイなどに後付けできるため、簡単にWi-SUN Enhanced HANのネットワークを構築することが可能です。
これら2つの評価キットは、2019年11月からチップワンストップ、コアスタッフオンライン、アールエスコンポーネンツにてすでにインターネット販売を開始しており、本評価キットを使用するために必要なスタートガイドなど各種ドキュメントはロームの公式Webサイトからダウンロードすることができます。
なお、本評価キットを11月20日~22日にパシフィコ橫浜で開催される「ET & IoT Technology 2019」のチップワンストップ、コアスタッフのブースに展示する予定です。ぜひご來場ください。
近年、スマートメーターを中心に構築されるネットワークなど幅広いIoT分野において、屋內外で通信でき、低消費電力で通信距離に優れる國際無線通信規格Wi-SUNの採用が進んでいます。
ロームは、通信事業者や電力事業者含む約200社からなるWi-SUN Allianceに參畫、グループ會社ラピスセミコンダクタ製の無線通信LSIを搭載したWi-SUNモジュールを業界に先駆け量産し、CTBU(規格テストの基準器)にも採用されるなど、ロームグループ全體でWi-SUN製品の開発を行っています。今年3月に発売した、ロームのWi-SUN Enhanced HAN対応無線通信モジュール「BP35C0-J11」が好評で、簡単に評価したいという要望に応え、今回評価キットの販売を開始しました。
Wi-SUNは、特定小電力無線やSub-GHz(サブギガヘルツ)といわれる無線周波數帯を使用した無線通信規格で、日本では920MHz帯を使用します。無線LAN(Wi-Fi)と比較して低消費電力で通信距離が長いという利點から、スマートメーターや交通インフラなどのスマートコミュニティの他、醫療や工場、農業など幅広い分野への展開が期待されています。
その中で、Wi-SUN Enhanced HANは、最新のHAN(Home Area Network)向け無線通信規格として、新たにリレー通信機能とスリープ通信機能を採用しています。リレー通信機能は、従來Wi-SUN規格における1対多(ゲートウェイ?エンドデバイス)のスター型接続ではなく、1対多対多(ゲートウェイ?中継機?エンドデバイス)のツリー型接続が可能。端末同士で中継機の役割を擔えるようになるため、通信距離が離れていてもより安定したネットワークを構築できます。また、スリープ通信機能は、省電力動作を意識した雙方向通信方式を実現できるため、ユーザーは電池駆動に最適な通信を行うことができます。